Contents
世界の企業によるブロックチェーンへの支出の総額は飛躍的に伸びている。「様子見の時代は終わった」。そうグローバル企業の担当者は語る。
米Forbesが初めてリスト化した、同技術へ果敢に取り組む大企業50社を一挙掲載!26.
26.IBM(IBM)
拠点:アーモンク、ニューヨーク州
ブロックチェーン・プラットフォーム:IBM Blockchain、Stellar、Hyperledger Burrow、Sovrin
ブロックチェーンの初期からの推進者であるIBM。同社はHyperledger Fabricを企業向けに強化したIBM Blockchain Platformを提供。そのほか銀行間メッセージ・プラットフォームのSWIFTの座を狙う国際決済プラットフォームのWorld Wire、海運の巨大企業であるMaerskと共同開発した国際貿易プラットフォーム、TradeLensを展開している。
さらに、米食品医薬品局(FDA)などと医薬品のサプライチェーンを構築する話も。IBMはすでに、100件を超えるブロックチェーンに関する特許を申請している。少なくとも85のネットワークにおいて同社独自のブロックチェーンが企業らを結び付けていることを考えると、IBMが勝者なのは明らかである。
27.INTEL(インテル)
拠点:サンタクララ、カリフォルニア州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Corda、Ethereum、Hyperledger Fabric、Hyperledger Sawtooth
米半導体メーカー大手。エンタープライズ向けマーケットへのブロックチェーンの導入を試みている。同社が主導する「Hyperledger Sawtooth」はオープンソースのブロックチェーン・プラットフォーム。企業独自のブロックチェーンを構築可能で、カーギルやTモバイル、テルアビブ証券取引所が利用。
28.JP MORGAN CHASE(JPモルガン・チェース)
拠点:ニューヨーク
ブロックチェーン・プラットフォーム:Quorum
米国最大手銀行がつくっているのが、「Quorum」というイーサリアムを基盤とした金融機関向けプラットフォーム。バックオフィス業務を分散台帳に移すことを検討している企業のためのサービスだ。最近では、企業間の即時決済が可能になる独自の仮想通貨の初期プロジェクト「JPMコイン」を発表した。
29.MAERSK(マースク)
拠点:コペンハーゲン、デンマーク
ブロックチェーン・プラットフォーム:IBM Blockchain、Corda
世界最大規模の海運会社。昨年、IBMと共同でグローバルな貿易プラットフォーム「TradeLens」を創設する計画を発表した。何世紀ものあいだ大量のペーパーワークに頼っていた貿易業務の効率化を目指す。港湾、貨物取扱業者、海陸運送業者、通関業者など100もの機関が同プラットフォームへの参加を表明。
30.MASTERCARD(マスターカード)
拠点:パーチェス、ニューヨーク州
ブロックチェーン・プラットフォーム:自社開発のものを使用
米クレジットカード大手。80件にもおよぶブロックチェーン関連の特許申請数は、世界でも上位。ブロックチェーン基盤の資産を従来の銀行口座に連結する技術や、匿名取引により顧客プライバシーを高める技術などの特許を申請。今年、アマゾンやアクセンチュアとより透明性の高いサプライチェーンを構築すると発表。
31.METLIFE(メットライフ)
拠点:ニューヨーク
ブロックチェーン・プラットフォーム:InsureChain built on Ethereum
1868年に設立の米生命保険会社大手。同社はシンガポールに拠点を構えるイノベーションセンター「LumenLab」で、モバイルアプリの「Vitana」を開発。ブロックチェーン技術を用い、保険の支払いを自動化。患者自らの請求を不要にし、さらに数日かかっていた支払いまでの時間を短縮させた。
32.MICROSOFT(マイクロソフト)
拠点:レドモンド、ワシントン州
ブロックチェーン・プラットフォーム:Ethereum、Parity、Quorum、Corda、Hyperledger Fabric
米IT大手の同社は、クラウドサービス「Azure」上でブロックチェーンサービスを提供。アプリケーション開発を支援する「Azure Blockchain Workbench」やネットワーク構築や管理を容易にする「Azure Blockchain Service」など、エンタープライズ向けに展開。今年5月、JPモルガンと戦略的提携を発表した。
33.NASDAQ(ナスダック)
拠点:ニューヨーク
ブロックチェーン・プラットフォーム:Symbiont、Corda、Hyperledger Fabric
米証券取引所ナスダックを運営。同社の市場監視技術は、日本を含む7つの仮想通貨取引所で使われている。また、ブロックチェーン技術を用いた電子投票やファンド市場での取引の安全性の向上・効率化などを試みている。今年、シティグループらとともにブロックチェーン・スタートアップのSimbiontへ出資。