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ヨーロッパ東部に位置し、人口4200万人弱(ロシアを含むヨーロッパ地域で7位)を誇るウクライナ。
2019年5月に当時現職だったポロシェンコ氏を破り、第6代目大統領になった元コメディ俳優のゼレンスキー氏率いる大国である。
直近では「ウクライナ疑惑」にも揺れる当国であるが、 EU加盟へ積極的な姿勢を見せ、
仮想通貨業界においても、リードする国の1つとして現在注目されている。
トレーダーが多く、マイニング事業も活発
「仮想通貨のトレーダー(いわゆる投資家)が多い国は?」と聞かれたら、どの国が思い浮かぶでしょうか?
それについて2019年4月にDataLight社が100の仮想通貨取引所へのトラフィックから、発表したランキングがある。
仮想通貨市場に関する様々なデータを投資家を対象に
市場分析データを提供しているエストニアの企業
本データにおいて、米国が突出したトラフィックを記録しており、次に日本、韓国、イギリスと続き、今回ピックアップしているウクライナは12位であり、比較的多くのトラフィックを記録している。
同時に、DataLight社は本データにおける「意外な国」として、ウクライナの他にトルコ、メキシコにも言及。
これらの国の共通点として、自国の法定通貨(ウクライナはフリヴニャという)のボラティリティ(変動幅)が高く、法定通貨への信頼が薄れてきている点を指摘している。
このような背景もあり、ウクライナでは仮想通貨のトレーダーが多い可能性が高いことが推察される。
また、国内のマイニング事業は毎年100万ドル(約110億円)以上を売り上げるなど、
トレーダーだけに限らず、仮想通貨業界への取り組みが個人と企業両面において活発で、今後の動きが注目されている国である。
ウクライナはマイニングにおけるランニングコストが安いと言われています。 マイニングに必要な電気代は世界で5番目に安い水準で、人件費も世界123カ国中118番目に低いようです。
仮想通貨 合法化への3カ年計画
2018年10月25日に、3年をかけて仮想通貨を合法化し、フィンテック業界に包括的な規制を設ける予定であることを発表した。
今回の政策は経済発展商業省が打ち出す公共政策の一環として実施され、規制は大きく2段階に分けて実施予定とのこと。
【第1段階】
└期間:2018年→2019年
└内容:2019年末までに業界全体に対する適切な規制を提案するため、仮想通貨市場とそのトレンドや問題点を調査した上で、仮想通貨と取引プラットフォーム、その他デジタル資産を取り扱う事業を法的に定義
【第2段階】
└期間:2020年→2021年
└内容:仮想通貨ウォレットの提供者や保管業者を、銀行や保険会社と同等の金融監視対象として認める
経済発展商業省は発表の中で、規制が実施されれば仮想通貨関連企業はより銀行のサービスを受けられるようになり、規制されたトークンセールでより多くの資金調達ができるようになるとしている。
また、今回の政策で、外国人投資家による外貨の流入や雇用の創出、仮想通貨に関する統計データの確保も期待されており、デジタル・エコノミーのさらなる発展が見込まれている。
暗号通貨合法化へ
そんな中、先日9月27日にウクライナのメディアは、政府が暗号通貨の合法化を検討していると報じた。
同国では暗号通貨の法規制は未整備なものの、議論は頻繁に行われており、同分野での税収を増やすことを考えているようだ。
2018年時点での税制検討では、暗号通貨と法定通貨の取引或いはマイニング収益に対して、5%の課税を設定する法案が検討されていたが、
暗号通貨同士での交換では課税しないとしており、暗号通貨分野の透明性だけでなく、技術発展を促す自由のある規制を設けるつもりのようだ。