2019年9月10日(現地時間)、インド洋の島国セーシェル共和国の国法証券取引所MERJは、トークンされた自社の株式を世界中の投資家に向けて売り出し始めた。ブロックチェーンをベースとした新規株式公開(IPO)は、史上初である可能性が非常に高い。
株式は英国時間午前9時(UTC午前8時)に、MERJの独自プラットフォーム、およびアメリカを拠点とするブローカー・ディーラーのジャンプスタート(Jumpstart)、仮想通貨カストディアンのプライム・トラスト(Prime Trust)、英国を拠点とするブロックチェーン資金調達プラットフォームのグローバキャップ(Globacap)を通じて購入可能になる。MERJがCoinDeskに明かした。
MERJは1株あたり2.42ドル(約259円61銭)で、165万2893株を新規発行し、事業拡大の資金として400万ドル(約4億2900万円)調達することを目指している。販売により、同社の時価総額は2500万ドル(約26億8300万円)になる、と同社は述べている。
株式は、イーサリアムのパブリック・ブロックチェーン上でトークン化されている。
MERJのCEO、エドモンド・トゥーイ(Edmond Tuohy)氏は次のように語った。
「これらの斬新な金融商品は、これから何年間にもわたって金融業界の形を変革していきます。MERJは、世界中の投資家がこれらの市場に安全、かつ規制に遵守した形でアクセスするために必要な規制上の枠組みを提供します」
1カ月ほど前、MERJが国法証券取引所として初めて、トークン化証券を提供し始めたことをCoinDeskが報じた。
同社は当時、株式所有権を登録するためにイーサリアムブロックチェーンを選んだ理由として、その時点では「イーサリアムブロックチェーンがそのような目的のために最もサポートされているプロトコルである」ことを挙げた。
MERJはセーシェル共和国に拠点を置きつつも、北米、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、そしてアフリカの発行者に対応している。MERJはセーシェルの金融サービス機構(Financial Services Authority)から、証券取引所、清算機構、証券集中保管機関(CSD)として認可を受けている。
coindesk JAPANより転用