アジアにおけるSTO規制とは?:タイ・シンガポール・香港に注目

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STO(Security Token Offering)はブロックチェーン上で発行され、トークン化された有価証券(株、債権など)で行う資金調達のことである。ICO以降に注目を集め、2019年には大きな動きをみせている。

2019年の現時点で、STOの規制が世界中で制定されるようになっている。特に今回はアジアにおいて、規制の面で他のアジア諸国よりも進んでいる3つの国(タイ・シンガポール・香港)に絞って規制の状況を見ていく。

タイ:アジアでも最もSTO規制の進んだ国

アジアのSTO規制で最も進展をみせているのがタイだ。2018年5月にデジタル資産に関する規制を発表している。この規制では一次市場と二次市場を明確に分けているところに特徴が見られる。また、この発表とともに、タイは3種類のライセンスを発表した。

アジアのSTO規制で最も進展をみせているのがタイだ。2018年5月にデジタル資産に関する規制を発表している。この規制では一次市場と二次市場を明確に分けているところに特徴が見られる。また、この発表とともに、タイは3種類のライセンスを発表した。

  1. デジタル資産取引所ライセンス
  2. デジタル資産ブローカーライセンス
  3. デジタル資産ディーラーライセンス

加えてタイはICOポータルを設置しており、このICOポータルの目的は、ICOの審査や、プロジェクトのソースコードの確認などが含まれている。またICO発行についてBTC、ETH、XRP、XLMのみが利用を認められている。

タイのSTO規制に関してはまだ不明瞭な点があり、一つはカストディに関する規制である。もう一つは既存の証券への規制が適応されるかどうかであり、今後注目されている。

シンガポール:政府がSTOに積極的な姿勢を見せる

昨年11月にデジタルトークンオファリングのガイドラインを策定しており、このガイドによりどのタイプのデジタル資産が証券先物法(SFA)の規制の対象になるかどうかが判別できる。

タイと異なるのは、SFAの規制の対象に入らなかった場合、ペイメントトークンとして扱われ、PSA(PAYMENT SERVICES ACT)という別の規制のもとで扱われることだ。これにより、トークンは少なくともSFAかPSAの規制のもとで取り扱われることとなる。

課題としては、タイと同様に未だにカストディに関する規制がないことだ。既存の規制が適応されるかどうかも不明である。

だが少なくともシンガポール政府はSTOに積極的な姿勢を見せている。昨年11月には金融庁であるMonetary Authority of Singapore(MAS)がシンガポール初となる私募証券取引所にRMO(recognized market operator )の認可を与えた。今後もさらなる規制の発展が見込まれている。

香港:香港の金融庁は「バーチャル資産」として規制

香港はアジアの主要な金融ハブであり、STOでも注目を集めている。2017年9月にはICOに関する規制を発表し、2018年11月には仮想通貨ポートフォリオ管理者、ファンド販売業者などの規制枠組みを制定した。香港の金融庁にあたるHK SFCは「バーチャル資産」という言葉を使用しており、これには仮想通貨、クリプトアセット、デジタルトークンも含まれている。

そして2019年3月にはSTOに関する声明を発表しており、セキュリティトークンが証券の場合、第一種規制対象業務として規定され、ライセンスが必要とされることとなった。

一方で取引所に関する規制はまだサンドボックスを作成し、検討しているところである。またカストディの規制も明白ではない。

結論:今後はアジア全体の注目度も上がっていく見込み

今回取り上げた三カ国以外にも、アジア地域の国々はデジタル資産の規制を進めている。現状の規制では不明瞭な点があるが部分も多いが、それには規制側が対処できていないという問題がある。しかし、技術は日々進歩しており、大企業もブロックチェーン、仮想通貨の分野に参入してきてる。

今後は規制側の適切な理解と、早急な規制の制定が求められていくだろう。少なくとも、アジア地域はSTO関連の規制で今後も注目を集めていくと思われる。

VentureTimesより転用

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