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Binance CEO「スケーラビリティ問題はほぼ解決された」
ブロックチェーンのスケーラビリティ問題は、取引量と市場規模の拡大に伴い、根本的な解決が急務となっています。
スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーンのブロックサイズが制限されていることから、ユーザーが増えるにつれて処理しきれないデータが次々と生まれてしまい、結果として処理が遅れていくというものです。この問題にどう対処するかというのは大きな課題ですが、仮想通貨界の有力者の間でも依然として見解が分かれています。
世界最大規模の仮想通貨取引所バイナンス(Binance)の最高経営責任者(CEO)である、ジャオ・チャンポン(Zhao Changpeng:CZ)氏は、スケーラビリティ問題について、「新たなブロックチェーンにおいては、大部分は解決された」という見解を述べました。
CZ氏のコメントは、カナダ発のオンライン・ニュース「ザ・スター(The Star)」のインタビューで、イーサリアム(Ethereum)の創始者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が語った内容に反応したものです。
スケーラビリティ問題はまだ続く?
インタビューの中でヴィタリック氏は、暗号資産(仮想通貨)をさらに普及させるにあたって、障害となるものについての質問に対し、ヴィタリック氏は「スケーラビリティ問題は非常に大きなボトルネックになっている。イーサリアムのブロックチェーンには、処理スペースにもうほとんど余裕がない。今後はさらに余裕がなくなるだけではなく、処理スペースを巡っての競争が激しくなるだろう。これによってトランザクション手数料は現状の約5倍にまで膨張する可能性があり、仮想通貨取引に参加する人々にとって、これは大きな障害になってしまう」と答えています。
回答は続き、「ただし、今後の技術進歩による解決策がないわけではない。現在最も大きな課題になっているのは、すべてのトランザクション処理について、すべてのコンピューターが認証処理を行わなければならないことだ。これを各コンピューターが、平均して小さなトランザクションの固まりごとに分割して処理するようにできれば、問題解決に向けて大きく前進するはずである」と語りました。
意見が分かれる有力者たち
このインタビューに対して、CZ氏は「私はヴィタリック氏もイーサリアムも好きだ。しかし、速度についても容量についてもすでに一年前の問題で、現在ではほぼ解決されたと言ってもよい。我々はユーザーが実際に使えるアプリケーションを、今後さらに増やしていく必要がある。そうでなければ、再び容量の問題に突き当たることになる。我々はアプリケーションにこそ、目を向けるべきだ」と自身のツイッターで見解を述べています。
それからわずか数時間後、今度はヴィタリック氏がCZ氏の見解に対する意見として、「問題はまだ全然解決されていない。最新の半中央集権型ブロックチェーンは、1秒間に数百ものトランザクション処理が可能はあるものの、私の知る限りでは、イオス(EOS)もすでにスケーラビリティ問題がボトルネックになってしまっている。私はオフチェーンのセカンドレイヤーについても悲観的な考えを持っており、ヴラド・ザミフィル(Vlad Zamifir)氏の言うように、セカンドレイヤーのシステム構築における難易度の高さと、普及の難しさからも分かることだ」と答えました。
他にもCZ氏のコメントに対しては、ザ・ブロック(The Block)のアナリストであるラリー・サーマク(Larry Sermak)氏が「最新のブロックチェーンがスケーラビリティ問題を解決できているという意見には、懐疑的にならざるを得ない。トロン(TRON)、EOS、バイナンスチェーン(Binance Chain)などの新しいブロックチェーンは、スケーラビリティ問題を解決するために、中央集権化を許し、対検閲性を犠牲にしている。Binance Chainについては未だ単一障害点を有したままだ」と述べています。
仮想通貨とブロックチェーンの発展のために、スケーラビリティ問題は避けて通れません。仮想通貨業界の有力者間ですら、このように見解が大きく分かれています。この問題が完全に解決されるには、新たな技術の登場を待つしかないのでしょうか。
Coin Choiceより転用