Contents
「仮想通貨って言葉を最近よく耳にするようになった」、「ビットコインしか知らない」といった声をお持ちの方が多いのではないでしょうか?
「2020年は仮想通貨元年になる!」とおっしゃる識者の方もいらっしゃいます。
本記事では業界全体を俯瞰しながら、その主要な業界プレイヤーをご紹介したいと思います。
そして本記事をお読み頂ければ、今後の仮想通貨業界の動向やメディア情報も整理できた上で理解できるようになると思います。
2019年5月31日に日本国内では「改正資金決済法」が可決され、「仮想通貨」という名称が2020年4月より「暗号資産」に変更されます。
仮想通貨ビジネスの誕生
仮想通貨の誕生は、2009年のビットコインが最初です。当初は今のような注目を浴びることもなかったのですが、2013年の年末に大きくその価値を上げました。しかし、2014年2月にビットコインの初期から圧倒的な取引シェアを占めていた、世界最大の取引所マウントゴックス(Mt.Gox)がハッカーによる盗難被害に遭い閉鎖し、一時的に価格は下降。ただ、2017年に入り急激な上昇を見せ、史上最高値を記録しました。
(coindesk社のデータベースから筆者が作成)
このような市場拡大とともに、仮想通貨ビジネスにおける様々なプレイヤーが登場しました。
仮想通貨ビジネスの業界プレイヤーとは
以下図に仮想通貨ビジネスにおける、大まかな業界プレイヤーを4つ掲載いたしました。
こちらに掲載した4つ以外にも、仮想通貨に係る業界団体の設立や法務・会計・税務の専門家、研究機関など様々なプレイヤーが存在し、仮想通貨のマーケットを拡大させています。
本記事では上記図の主要な4プレイヤーに絞ってご紹介いたします。
① 仮想通貨を発行する法人/個人
仮想通貨はビットコインをはじめ、多くの仮想通貨はその根本的な仕組みとなるプログラムコードが公開されているため、それを読み解くことができれば個人でも法人でも新しい仮想通貨を発行することが可能です。仮にプログラムコードを読み解くことができなくても、新しい仮想通貨の作成に特化したプラットフォームもあるため、それをベースに発行することも可能になっています。
少し話が難しくなってきたと思いますが、インターネットが普及し初期はWebサイトを作るのも1からプログラムコードを書いていた時代から、WordPressというオープンソース型のプラットフォームが開発され、簡易的にWebサイトが作れるようになったのと似ていると思って頂ければよいと思います。
今現在、ビットコインを筆頭に全世界には数百万種類の仮想通貨が存在していると言われています。
② 仮想通貨交換所
仮想通貨交換所は、仮想通貨が「取引」或いは「販売」されている場所のことです。株や証券で言えば、東京証券取引所のような場所ということになります。ここで「取引」と「販売」を分けて表現しましたが、仮想通貨の場合、明確な違いがあります。前述の図でも示している通り、「取引」は仮想通貨の保有者同士(個人↔個人)で売買を行う形式に対して、「販売」はその仮想通貨を扱っている運営会社(世界最大のBinanceや日本で言えばbitFlyerやCoincheckなど)との売買となります。
また、仮想通貨交換所は世界中に多く存在しており、同じ仮想通貨でも交換所によって取引価格が異なっており、注意が必要です。国によって仮想通貨のニーズや事情が異なることが起因していると言われています。
③ マイニング企業
マイニング企業とは、オープンソース型仮想通貨の暗号化や取引履歴のシステムに参加し、実際に行われた取引記録を台帳に追記し、整合性を管理しています。(この取引台帳データのことを「ブロックチェーン」と呼び、追記作業が「ブロック生成」と呼ばれています。)
この整合性管理をしてくれるマイニング企業に対しては、その成功報酬として仮想通貨が発行されます。つまり、(ビットコインがこの典型的な型なのですが)業界大手のBitMain社がビットコインのマイニングに成功した場合、対価としてビットコインを手に入れることができるということになるのです。但し、その成功報酬を獲得するためには、膨大な計算量が実現できる高スペックのコンピューターが数多く必要なため、BitMain社は米のテキサス州にて東京ドーム8.5個分に相当する100エーカーのマイニング専用施設を建設し、2019年10月から稼働開始しています。
④ 仮想通貨専用のウォレットサービス提供会社
ウォレットとは、顧客の仮想通貨を保管する事業者やサービスのことです。つまり、仮想通貨専用のお財布です。秘密鍵と公開鍵という最新暗号システムを使うことでより高いセキュリティを担保し、保管している仮想通貨を守るサービスになっています。仮想通貨交換所内で保管することもできるのですが、ハッキングなどで盗まれる可能性もあるため、分散して保管することができる仕組みということです。
まとめ

ここまで仮想通貨業界の主要4プレイヤーを紹介いたしました。そのプレイヤーごとに新しい技術開発に取り組んでおり、どこが業界の覇権を握るのか、非常に興味深い業界だと考えています。また、「1つのお金」という性質を持っているため、私たち自身の生活を一変させるような可能性も秘めています。
引き続き、ABCD WORLD.netでは、ブロックチェーンや仮想通貨などの最新情報を取り上げていきます。