仮想通貨M&A、アジアと欧州が米国を逆転:PwC報告書

Share on facebook
Share on google
Share on twitter
Share on linkedin

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が新たに発表した報告書によると、仮想通貨業界における資金調達やM&A(合併・買収)案件の大半は現在、アジアと欧州で行われており、これまで中心的だった南北アメリカを上回っている。

2019年9月10日(現地時間)、CoinDeskのイベント「Invest: Asia」で発表されたPwCによる仮想通貨エコシステムの分析によると、2019年第2四半期における世界の資金調達案件の41%は欧州であることが明らかとなった(前年同期は同34%)。

同様に、2019年第2四半期における仮想通貨の資金調達はアジア市場が大幅に伸び、26%を占めた。

2つの地域を合わせると、2019年第2四半期における世界の資金調達の67%に達する。

一方、同報告書では、南北アメリカにおける仮想通貨の資金調達案件の大幅な減少が判明した。

同地域は2018年第2四半期に51%を占めていたが、2019年第2四半期にはわずか28%となった。

しかしながら世界的にみた資金調達案件の総数や調達資金額はどちらも、2018年第1四半期の4億800万ドル(約440億1300万円)から50%以上減少している。

ビットコインの価格が景況感の基準に

とはいえビットコイン価格の最近の回復を受けて、世界の案件総額は増加しており、2019年第1四半期の1億6,600万ドル(約180億円)から第2四半期には2億5,000万ドル(約270億円)に達したことが同報告書で示されている。

プライスウォーターハウスクーパースのフィンテック&クリプトチームのシニアマネージャー、ルーシー・ガズマラリアン(Lucy Gazmararian)氏は、この傾向について、Invest: Asiaで以下のように述べている。

「ビットコイン価格は仮想通貨業界や投資家心理の指標である。ビットコイン価格の回復に伴い、投資心理はより強気となり、資金調達やM&A活動が活発になっている」

同報告書では、M&A領域でも同様の傾向がみられ、M&Aにおける米国市場のシェアが2018年上期の80%超から2019年第2四半期には48%まで減少していることも示されている。

一方、アジアと欧州で行われたM&A案件の合計は急増しており、2018年の年初にはわずか17%だったのに対し、いまや50%を超えている。

この報告書では他にも、2018年の年初以降、仮想通貨マイニングセクターのM&Aが大幅に減少した一方、投資の関心がブロックチェーンのインフラ開発にシフトしていることが分かる。ガズマラリアン氏はこう付け加えている。

「2018年上期以来、マイニングセクターの投資は縮小しているが、ブロックチェーン、取引所、トレーディングインフラについては依然として堅調だ」

PwCのフィンテック&クリプト・アジア部門リーダーのヘンリ・アースラニアン(Henri Arslanian)氏は声明の中で、この見解に同調する。

「おそらく仮想通貨マイニングを除けば、仮想通貨取引所や広範囲な仮想通貨トレーディング、ブロックチェーンインフラ企業を中心とした仮想通貨業界のすべてのセクターに資金が流れている」と同氏は述べている。

coindesk JAPANより転用

ビジネス課題を最新IT技術で解決する
5G時代の4種の神器(IoT/クラウド/ブロックチェーン/AI)
最新IT技術で御社のビジネスを再構築いたします

関連記事