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2019年から2024年にかけて、ブロックチェーン技術を利用したさまざまな機器が、今後ブームを巻き起こすだろうという調査結果が出ました。市場調査企業のマーケッツ・アンド・マーケッツ(MarketsandMarkets)社のレポートによると、ブロックチェーン機器の市場規模は、2019年にはわずか2億1,800万ドル(約239億8,000万円)だったものの、それが年平均成長率(CAGR)にして毎年42.5%%増、2024年までに大きく増加して、ほぼ12憶8500万ドル(約1,413億5,000万円)に達する見込みです。
技術採用や資金供給の増化などが要因
ブロックチェーンに依存する機器が今後急成長すると考えられる要因はいくつかあります。以下がその例です。
- 小売およびサプライチェーンの管理にブロックチェーン技術の採用が増加すること
- ベンチャーキャピタル(VC)による資金供給の高まり
- デジタルアセット市場における時価総額の増大
- 大手企業のブロックチェーン技術を用いた各種ハードウエアの開発
- 特にアジア太平洋地域では経済状況の好転によって、さまざまなアプリケーションへのブロックチェーン活用の需要が高まっていること
- 北米がいくつかのブロックチェーン機器ベンダーの拠点となり、地域市場の成長に貢献している点
レポートでは一方、ブロックチェーンの発展の負の側面として「市場の成長を妨げる主要な要因は、不透明な規制措置、コンプライアンス、そして認識不足」などを挙げています。
市場の大きさは北米に次いでアジア太平洋、欧州の順に
ブロックチェーン機器市場での主要企業として、レポートでは次のような企業が挙げられています。
企業名 | 開発機器 |
---|---|
レジャー(Ledger) | ハードウェアウォレット |
HTC | ブロックチェーンスマートフォン |
プンディエックス(Pundi X) | ブロックチェーンスマートフォン |
サトシラボ(SatoshiLabs) | ハードウェアウォレット |
ジェネシス・コイン(Genesis Coin) | ビットコイン(BTC)ATM |
ジェネラル・バイツ(General Bytes) | 仮想通貨ATM |
リドルアンドコード(Riddle&Code) | 車載用ハードウェアウォレット |
シクア(Sikur) | ブロックチェーンスマートフォンほか |
シリンラボ(Sirin Labs) | ブロックチェーンスマートフォン |
レポートは分析に当たって、市場および接続性のタイプ、アプリケーション、地域性などを考慮しました。北米はこの5年間、最大の市場規模を占める地域となり、2018年にはそのシェアが世界最大規模になりました。アジア太平洋が第2位、欧州が第3位と続きます、残りがその他地域です。
スマートフォン、POS機器で飛躍的成長
これらの分析から引き出したレポートの結論として、LedgerやPundiXなどの大手企業が注目する、ブロックチェーンスマートフォン・ポイントオブセール(POS)機器・ハードウエアウォレットが、機器のワイヤレス接続にWiFi、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)技術などを用いるとすれば、予測期間における年平均成長率に準じて成長するとしています。
ブロックチェーンゲートウェイやその他構成済みデバイスも、この期間において最高の年平均成長率(CAGR)で成長する見込みです。ブロックチェーンゲートウェイは、企業、政府、各機関で採用され、その他構成済みデバイスもまた、銀行やその他金融サービス、小売り、eコマース、自動車、運輸、IT通信などの企業によって採用されることを前提に成長が見込まれます。
2019年初めからここまでの機器市場開発の成果として、フランスのLedgerが開発したハードウエアウォレットであるレジャーナノX(Ledger Nano X)、ブロックチェーンスマートフォンでは、台湾のHTCが開発したエクソダス・ワン(EXODUS 1)やシンガポール企業Pundi XのファンクションX(Function X)、そしてアプリケーションにおいては、米国Filamentによる車両アプリケーション(TVA)のブロックレット(Blocklet)などが知られています。
Coin Choiceより転用