仮想通貨(暗号通貨)には該当取引を認証するための「マイニング(採掘)」作業というのものがあります。
「マイニングとはなにか?」というと、代表的な仮想通貨であるBitcoin(ビットコイン)の場合、約10分に1回のペースでハッシュ関数(情報セキュリティに使われている代表的な関数の1つ)の解答(適切な入力値)を求める必要があり、最初に解答に至った者が、報酬であるビットコインを入手できる仕組みとなっている。この報酬を目的として解答を見つける一連の作業を「マイニング」と呼び、それを実行している者を「マイナー」と呼びます。
この解答に辿り着くまでには、 原理的にハッシュ関数の実行数を数多くこなし、総当りでチェックをしないといけなく、そのため、マイナーの成功のためにはPCのマシンパワー(高い計算能力)が必要なのです。AIや機械学習の分野においても、高い計算能力が学習速度を高めるのに必要とされており、各社は様々なカスタムハードウェアの開発と利用を進めています。
現在、その主流として「ASIC」「GPU」「FPGA」というものがあり、以下がその特徴を簡易的に比較したものになりますが、中でも「ASIC」は圧倒的に高い計算能力(ハッシュレート)を誇り、時間あたりにマイニングできる通貨量が多いとされ、Bitcoinのマイニングに適していると言われています。

そして2019年11月22日に、その「ASIC」を開発し、世界シェアが70%を占めると言われている世界最大のマイニング・コンピューターメーカーBitmain社と、東京を拠点とするブロックチェーンソリューションカンパニーである株式会社TEAMZが業務提携を締結したと発表がありました。TEAMZ社は今後、日本国内でBitmainのマイニングマシン販売を手掛けていくことになります。
Bitmain社とは

Bitmainは2013年に設立した会社でありながら、今年CBinsightが発表したユニコーンランキングでは、世界13位のメガコーンとして13ビリオンUSD(日本円で1兆4300億円程度)の時価総額を誇る企業です。
仮想通貨業界を代表するマイニング関連企業であり、中国・米国・イスラエル・オランダ・スイスの5ヵ国にオフィスを構え、ビットコインのマイニングマシンである「Antminer(アントマイナー)」シリーズを販売しています。最近では、米国テキサス州に世界最大のマイニング施設を設立したことで注目を浴びました。
今年10月にはマイニングマシン「Antminer S17+」と「Antminer T17+」を発表しました。これら2つのマイニングマシンは従来のものと比較して電力効率とハッシュレートをさらに改善したモデルとなっており、「Antminer S17+」ではハッシュレートが73TH/s、電気効率は10%改善され40J/THとなっています。「Antminer T17+」のハッシュレートは64TH/sとなっており、こちらも10%改善された電力効率50J/THとされています。
これらの新製品には「デュアルチューブ放熱技術」が搭載されているため、製品内部冷却が効率化された他、冷却用ファンの動作音も低減されており、吸気口と排気口の間のスペースの50%削減にも成功したとも報告されています。
Bitmainのマイニングマシンはすでに中国市場をはじめ、世界中の様々な地域で実際に利用されている実績を有していますが、その一方では「調達が難しい」とも言われています。
株式会社TEAMZとは

株式会社TEAMZは東京を拠点とし、ブロックチェーン企業へのソリューションを提供するベンチャー企業です。主に以下4つの事業展開をしています。
・イベント事業:TEAMZ Blockchain Summit(日本最大のブロックチェーンイベント)
・Strategy : ブロックチェーン企業へのコンサル・提案
・ChainTalk : ブロックチェーン動画メディア
・キャピタル:投資
今後両社は日本の市場のポテンシャルに期待し、スムーズな顧客獲得チャネルの確立、日本のブロックチェーン市場の拡大、ブランドの影響力の拡大を目的とし、サービスを提供していくと、TEAMZ社が公式発表をしています。