【特集】仮想通貨のマイニングマシン徹底解説!

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MiningMachine マイニングマシン GPU ASIC FPGA

先日投稿しました記事(「Bitcoin 最高クラスのマイニングマシンが「日本市場」へ」)では、マイニングに欠かせないカスタムハードウェアである「ASIC(エーシック)」「GPU」「FPGA」について簡単に触れましたが、本記事ではそちらの詳細をご紹介したいと思います。

マイニング ハードウェア4種とその歴史

Bitcoinが誕生したのは2009年となりますが、当初は一般的なパソコンのCPU(Central Processing Unit)機能を使って仮想通貨のマイニングが行われていました。これは「CPUマイニング」と呼ばれます。基本、市販されているパソコンに標準搭載されており、IntelとAMDが2大メーカーとなります。しかし、当然ながらCPUはパソコンを動作されるための脳にあたり、マイニング以外の作業も行っているため、マイニングに特化したものではありません。

そこで2010年後半から次に注目されたものが、「GPU(Graphic Processing Unit)」です。GPU製造の代表的な企業には、AMD社やNVIDIA社があります。CPUがパソコン全体を管理するのに対して、GPUは画像や動画といった情報処理能力に長けており、CPUよりも計算処理が早くマイニングに適していると言われています。一部の通貨では現在もGPUマイニングを行っているものもあります。

また、GPUと同時期に注目されたものが「FPGA(Field Programmable Gate Array)」です。FPGAは、製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路であり、広義にはPLD(Programmable Logic Device)の一種です。マイニング業界ではGPUの次に実用化が期待されましたが、次に紹介するASICがすぐ後にリリースされたため、利用が大きく広がらなかったのです。

最後に、「ASIC(Application Specific Integrated Circuit)」です。FPGAと大きく異なる点として特徴的なのは、機器の制御や信号処理等、ある特定の用途のために設計・製造される集積回路で後に変更をすることができないのです。

マイニング ハードウェア 特徴比較

CPUを除いた各ハードウェアの特徴比較は以下の通りです。

比較 ハードウェア ASIC GPU FPGA

それぞれ詳しく見ていきましょう。

初期費用が低く汎用性が高いGPUマイニング

前述の通り、GPUは画像や動画といった情報処理能力に優れているもので、本来はパソコンゲームに使うハードウェアとして広く普及していますが、この処理能力がマイニングにも使えることが分かり、多くのマイナーから需要があります。仮想通貨が盛り上がった2017年には秋葉原中でそのGPUが売り切れているとニュースになったりしました。

最近では自作パソコン向けのマザーボードの中に、このGPUを何枚も装着できるものが出てきており、Windows10で認識される最大装着可能枚数である8枚すべてを装着する方もいらっしゃるそうです。ちなみにこうしたマシンはすでにパソコンとして使うことを前提としておらず「マイニングリグ」と呼ばれます。

マイニングにGPUを使用するメリットとしては以下が挙げられます。

  • 入手手段も幅広く低コストのため、調達がしやすい
  • GPU1枚ごとに様々な通貨をマイニングできる
  • 該当通貨のアルゴリズムが変更された際も対処しやすい
  • マイニング以外の作業にも流用できる

一方、気をつけるべき(デメリット)としては以下が挙げられます。

  • マイニング専用ハードウェアであるASICやFPGAよりも計算能力が劣ること
  • マシンの初期設定や稼働環境の構築には一定以上のPC知識が必要となること

なので、GPUマイニングは「設備投資を抑えたい」「幅広いコインをマイニングしたい」といった方向けの方法と言えるでしょう。

マイニングに特化し効率を追求するならASIC

「ASIC(エーシック)」とは特定の用途のために設計・生産されるハードウェア(集積回路またはカスタムチップ)のことで、同じ処理をCPU(ソフトウェア処理)で行うのに比べて大幅に高速化することができるメリットがあります。なので仮想通貨業界の取引承認作業において、膨大な計算量が必要とされるPoWというアルゴリズムを採用している通貨には相性が良いとされています。ASICの代表的な製造企業としては、最大手のBitmain社、Canaan社、Innosilcon社などが挙げられます。

ASICマイニングを使用するメリットとしては以下が挙げられます。

  • 圧倒的な計算スピード(ハッシュレート)
  • コンピューター知識がなくてもマシン運用がしやすい
  • 設計及び生産には多額の初期投資が必要
  • 大きな騒音と高熱の発生を伴う(データセンターなどの専用設備が必要)
  • ブロックチェーンの仕様がアップデートされた場合、使用できなくなるリスクがある
  • マイニング以外の用途がない

ASICマイニングは現時点において、最も効率的であると言われており、ASICマイニングを認めている通貨において、それ以外の機器ではほとんどのマイナーが利益が出ない現状となっています。結果、一部の資金力のあるマイナーにマイニング権限が集中してしまう傾向があり、非中央集権的通貨を理想とする仮想通貨の思想と反しているため、ASICマイナーを排斥する動きも出てきています。

次ページ >>  GPUとASICの中間に位置するFPGAーー
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